ファースト コンサート
現代邦楽の偉大な作曲家シリーズ
2004年6月12日(土) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール 1. 秋の一日 長沢 勝俊 1985年作曲 尺 八:小松 政次・内山 和彦・高野 正生 篠 笛:松尾 慧 三 絃:横山 美衣 箏 T:市川 春子・渡邊 友子・尾上雅楽瑠璃・岡本 葉子・藤井 典子 箏 U:中野 勝子・村上由香里・堀 英子・飯島 恵子 十七絃:高野 初江・中村 和枝 打楽器:多田 恵子
序曲〜どんぐりごままわそう〜いわし雲みつけた〜祭囃子がよんでいる〜終曲 日本の豊かな四季を簡明直裁に描こうと最初に作曲されたのが「冬の一日」。 その後、四季シリーズのひとつとして作曲された「秋の一日」です。今回は二十絃を箏2パートにおき換えて、琵琶パートの部分を三絃が兼ねて演奏します。 都会生活の中では急速に季節感が失われつつある昨今ですが、この失ってはならない大切なものを、大人も子供も一緒になってもう一度見つけ直し呼び戻そうという願いを持って作られた作品です。親しみやすいメロディとユニークなリズムが邦楽器の独特な音色と一体になって、楽しい秋の一日を奏でていきます。 長沢 勝俊 (1923年〜 ) 清瀬保二氏に作曲を師事。1949年以来人形劇団「プーク」の音楽を監修。64年日本音楽集団参加。86年歌舞伎市川猿之助「ヤマトタケル」の音楽を作曲。90年紫綬褒章を受章。 代表作品:子供のための組曲・人形風土記・三味線協奏曲・詩曲・萌春・二つの田園詩 等
2. 篝 火 牧野 由多可 1966年作曲 尺八T:高野 正生・吉田 岩雄 尺八U:内山 和彦・小松 政次 箏 T:市川 春子・渡邊 友子 箏 U:尾上雅楽瑠璃・岡本 葉子 箏 V:中野 勝子・村上由香里 箏 W:堀 英子・飯島 恵子 十七絃:高野 初江・中村 和枝 果てしなく続く杉木立の中 篝火が一つ燃えている 太古そのままに・・・ やがて風が起こり 大きな炎が波となって 燃え上がる饗げのひととき 歓喜の叫び 恐れと躍動の刹那 すべては隆起し 幻覚の魔睡が きらめく古へのどよめきをもたらす 寂寞がしのび寄り 木々の深い吐息と小さな風 霧と影のささやき 暗い杉木立の中に篝火が一つ 燃えている 尺八の持つ神秘的な奥深い響きと、箏の鋭さ、動きの早さ、とを対照させた 一楽章形式の幻想的詩曲です。 牧野 由多可 (1930年〜 ) 山田耕筰の最晩年の弟子の一人。NHK管弦楽懸賞佳作を得た「交響曲」「ピアノ協奏曲」などの後、日本音楽の伝統に目覚め、オペラ・室内楽等を書く中で邦楽の豊かな可能性を追求。代表作品:茉莉花・琉球民謡による組曲・花舞・邦楽器の為のエッセイ・風 等 3. さくら変奏曲 宮城 道雄 1923年作曲 箏 T:尾上雅楽瑠璃・村上 由香里 市川 春子・堀 英子 箏 U:横山 美衣・岡本 葉子・渡邊 友子 中野 勝子・飯島 恵子 十七絃:中村 和枝・高野 初江
箏の手ほどきにも用いられ誰でもよく知っている日本古謡「さくらさくら」のメロディをテーマとした変奏曲です。洋楽の変奏曲の概念を初めて邦楽に取り入れられたこと、そして音域の異なる同族楽器の三重奏を邦楽器で初めて実現したことが歴史的価値といわれています。曲は主題旋律を提示し華麗かつ艶やかに始まり、以降 第一箏が名人的な装飾的変奏を展開していき、第二箏と十七絃は主として主題旋律の保持、或いは伴奏の役になります。その間、スクイ爪や割り爪などの旧来の技法はもちろんアルページョ・グリッサンド・トレモロなど箏の性能を生かした種々の技法が縦横に駆使されています。 宮城 道雄 (1894年〜1956年) 8歳にして失明の宣告を受け、生田流二代目中島検校に入門。弱冠12歳で師の代役を務め、14歳にしてその代表作ともなる処女作「水の変態」を作曲。その後ほとんど独学 で学んだ西洋音楽の知識をもとに箏曲の近代化をはかり、「新日本音楽」運動を展開する。 変奏曲やソナタ形式を用いた曲、また箏とオーケストラの協奏曲や大規模な合唱合奏曲を 作曲。十七絃・八十絃・大型胡弓などの新楽器の開発も行う。 代表作品:春の海・水の変態・瀬音・手事・ロンドンの夜の雨・日蓮・数え歌変奏曲 等
4. 風 動 杵屋 正邦 1965年作曲 尺八T:高野 正生 尺八U:小松 政次 尺八V:内山 和彦
この曲は尺八Vの独奏にはじまり、第Uがこれを受けて第Tに渡し、次でこの反対をゆくといったように、超人の長い一呼気を思わせる極めて遅い「起」の部分があってから、刺激的な短い音型を随所に含む「承」の部分にはいり、一変して八分の六拍子、八分の五拍子による軽快な「転」のくだりとなり、さまざまな動きがあってから再びもとの静かな部分に戻り、これを「結」として終わります。 杵屋 正邦 (1914年〜1996年) 父である初代杵屋正四郎に長唄を師事。26歳頃より作曲活動を開始。作曲法、洋楽理論を乗松明広に師事。初期の頃は演奏家と作曲家を兼ねていたが、やがて作曲活動に専念。作品は千数百曲にもおよび、洋楽器・邦楽器による器楽曲、声楽曲とあらゆる分野におよんでいる。また、楽器の種類、流派を問わず合奏できる演奏家を育成する事を目的のNHK邦楽技能者育成会の常任講師を40年間勤める。 代表作品:野鳥三態・太棹と打楽器のためのコンポジション・花簪・明鏡・六つ重ね 等 5. ディヴェルティメント 佐藤 敏直 1969年作曲 篠 笛:松尾 慧 尺八T:内山 和彦・小松 政次 尺八U:高野 正生・吉田 岩雄 高音三絃:横山 美衣 低音三絃:尾上雅楽瑠璃 箏 T:市川 春子・渡邊 友子・村上由香里・藤井 典子 箏 U:中野 勝子・岡本 葉子・飯島 恵子・堀 英子 十七絃:中村 和枝・高野 初江 打楽器:多田 恵子 第一章 まず尺八によって主題が抒情的に奏され、それを箏・十七絃が支えつつ運び、低音三絃と尺八による副主題へと引き継がれます。箏・十七絃・三絃・笛・打楽器も加わって、各楽器が絡み合いながら全楽器による合奏部分へと盛り上がり、再び主題と副主題が静かに奏され、突然のインパクトと共に結びとなります。 第二章 尺八による神妙な旋律で始まる。箏の押し手や三絃の擦りが効果的に用いられ、 半音階的な動きなどによって、エキゾチックな雰囲気がかもし出されています。 第三章 二章とは対照的な溌剌とした曲調が支配する中に、各楽器による様々なモチーフが挿入されていきます。最後は、笛と尺八による力強いユニゾンで劇的に締めくくられます。 佐藤 敏直 (1936年〜2002年) 山形出身。昭和36年慶應大学電気工学科卒業。清瀬保二氏に師事。1979〜80年度及び1988〜92年度日本現代音楽協会書記長。1993〜97年度日本現代音楽協会委員長。株式会社カワイ音楽企画部長。:代表作品:管弦三態・ピアノ淡彩画帖・ディヴェルティメント 等
指 揮 苫米地 英一(とまべち えいいち) 東京学芸大学にて指揮・作曲を学ぶ。在学中よりオーケストラ、オペラ等を指揮し、卒業後の2001年東京室内歌劇場にてオペレッタ「チン・チ・ラ」を日本初演する他、都民オペラソサイティ、首都オペラ、オペラ彩を初め関東の主な市民オペラにて指揮活動をする。指揮を秋山和慶、川本統脩、田久保裕一、湯浅勇次、レナート・パルンボ各氏に師事し、ローマ歌劇場にて研修を積む。現在、洗足学園音楽大学にて指揮を学ぶ。 賛助出演(打楽器) 多田 恵子(ただ けいこ) 洗足学園音楽大学打楽器専攻卒業。東京芸術大学別科にて邦楽囃子を専攻。第16回日本打楽器協会新人演奏会において入賞。サントリーホール主催レインボウ21デビューコンサートに出演。打楽器を岡田知之、志田美津子、邦楽囃子を望月太喜雄、望月太喜之丞の各氏に師事。現在は、日本音楽集団、歌座、のメンバーとして全国公演に参加するほか、コンサート、オペラ、演劇、録音など、和洋両打楽器奏者として幅広い演奏活動を行っている。 友情出演(篠笛) 松尾 慧(まつお けい) 伝統的各種横笛(能管、龍笛、神楽笛、篠笛など)の演奏で、ソロの他、邦楽器、ピアノ、11絃ギターとのアンサンブルの活動している。 宙〜そら〜 “時間”の中で 自由自在に 森羅万象が共鳴できる“音”が紡げること 無限に拡がる宇宙へ向かうように 人々の心の中にある“宇宙”に語りかけること“宙”の奏でる“音”が そうありたいと そして“宙”が次世代へ繋げられますようにと願う “邦楽”に魅了された面々の集い それが 宙〜そら〜です そんな熱き想いが皆様に伝わりますよう 団員一同 一心に 演奏致しますので、今後共 御支援を賜りますよう 心よりお願い申し上げます。 代表 天野 照子
団 員 募 集 ・エンターテイナーの精神を持って ・聴衆の求める音楽を質の高い演奏で ・聴衆と共に感動を分かち合う 主旨に賛同し、向上心と情熱を持って参加できる方のご応募お待ちしております ダイナミックなサウンドを創り出す醍醐味を いっしょに味わってみませんか! 募集パート 尺八・篠笛・箏・三絃・琵琶・和打楽器
彩の国 邦楽合奏団 宙〜そら〜 事務局 〒359−1141 埼玉県所沢市小手指町4−20−7−603 Tel/Fax 04−2948−7025 |
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